若いもんはええのぅ

 ようやくこの境地に立てるようになって来た。そこには妬みとかやっかみみたいな、負の感情もなければ、いいなぁ、自分も若いころはなぁ、みたいに憧れるような気持ちもない。純粋に「若い人たちは素晴らしいね、人生楽しんで欲しいね」とほど良い他人事としてとらえることが出来るようになったらしい。

 犬や猫を見て可愛いなぁ、と思う感覚に近いかもしれない。自分とはもはや別の生物というか、本気で自分と比較するようなことはしないけれど、ちゃんと同じ世界に住んでるし、お互いを認識するし、出来ることならばお互いが少しでも良い状態で居ることを願う、というのかな。

 あくまでも「若者」としてではなく個人として、あれやこれやと思ったり、時には注意して、時には褒めちぎって、ということはするけれども、「近頃の若者は〇〇じゃ」という定型の思考に陥らずには済んだようだ。

 今の世代だからこその辛さ、苦しさ、色々あると思う。そこはホントに思う。でもまぁ、技術も発達しているし、直接の戦争からは長年遠ざかっているし、なんだかんだで昔よりは今の方が良いに決まってる、と思うタイプなので、やはり純粋にこう思う。「若いもんはええのぅ、しっかり生きて少しでも幸せになって欲しいもんだわぃ」

 じじいかよ